ふと思い出したので記録記録。
うろ覚えだから違うところ多いかも知れない。読んだのはだいぶ前です。
「ペスト」
作者
アルベール・カミュ。 フランスのノーベル文学賞作家。不条理を描く系。
代表作は『異邦人』と『ペスト』 タレントのセイン・カミュの親戚。
イケメン。
あらすじ的なもの:
ペストって病気は知ってますよね。かつてヨーロッパ中を震撼させたTウィルス(バイオハザード)みたいに恐ろしい病気です。これは異様にリアルなバイオハザードという感じの小説。未満都市(昔のドラマ)っぽくもあるか。
物語は静かな町の様子から始まる。何もない日常の、小さな異変。
最近道端によくネズミが死んでいるな・・・
主人公の医師(名前忘れた)は、自宅の廊下で苦しみもがいて死ぬネズミを見て町の異変に気づく。
その頃にはもう町中で夥しい量のネズミの死体が出ていた。
そしてネズミが全滅した頃、とうとう順番が人間に回ってくる。
毎日死体は増え続ける。でも町の人々は気づかない。いや、新聞には出ていたのだけれど、それが身内に及ばない限りは実感がわかない。そんなものだよね。
やがて死体の数は桁違いに増えていき、火葬が追いつかず、道端にネズミのように転がる死体を見るように・・・・さらに、町は予告なく封鎖されることになる。
ここにきてパニックになる人たち、あきらめちゃう人たち、まだ現実を見ようとせず楽しく暮らす人たち。
そしてペストに立ち向かう人たち!
主人公は友人たちとともに、自らの危険を顧みずペストと戦うのだ。
私が好きなキャラは、こっそり小説書いてたおじさんですね。彼にはドラマがありますよ。
言葉が少し不自由で、ぴったりの言葉が見つけられないおじさん。
「いつか出版社が参ったって帽子を取るような小説を書くんです!」
ペストにかかった時、燃やしてほしいと主人公に頼んだ原稿は、あれほど年月をかけてまだ冒頭の数ページしかできていなかった。この辺はボロ泣きしました。
彼はね、うまく愛を伝えられなくて出て行かれた妻への想いを小説にしようとしてたんですよ。(泣)
それで次の日ケロっと治ってる(笑)なんなのこの人!?
みんなの奮闘とは関係なく、ペストの終焉は自然に、あっさり訪れる。
でもその直後にね、・・・・(泣)。
この本は誰かの手記みたいな感じで書かれてるんですが、それがどういうことか最後にわかるのですよ。
(まあ読んでてすぐ予想はつくけど)
そういえば、世界の名作ってグロい部分の描写がすごいと思う。どっかの斧男とか、ピストル自殺男とか・・・
『異邦人』もペストより前に読んだことあります。
あっちはねぇ、読んでると熱中症にかかったみたいな不思議な気持ちになる、淡々とした物語。
ぼぉっとしてしまう暑い日、主人公は男を射殺する。なんのためらいなく。
でもほんとに理由がないんです><
判決待ちの主人公の無表情さに、さぞ後悔してるだろうと考えていた牧師は驚く。
殺された男は主人公の友人を脅迫し怪我を負わせたりしてるからそんなに重罪にはならなそうだったのに、
彼は死刑になってしまうのです。
理由がなんと、「母親の葬式で涙を見せなかったから」。
これが裁判官や牧師には理解できなかったのです。
主人公は悲しくなかったわけじゃないのに・・・
でもこの無口な主人公はそれを表現しようとしなかったんですね。裁判官どもはしね!
あーこれも読まないとなんかなぁ・・・。
読むと一瞬、主人公が引き金を引いた理由がわかったような気がする瞬間があるかもしれない。
「きょう、ママンが死んだ」 だっけ。この冒頭はかっこいい。メロスみたい。
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